美人

美人は汚いものを知っているんだろうか、というくだらない疑問。果てしなく自由に近く透き通るような感覚をもった手が生み出すもの。とてもしなやかで強い誰も触れられないその羽根。ふきかけられる言葉は簡潔に絶対的な意味をもっている。
心まで美人というもの、生まれもったものなかもしれないが、切り捨てて唯一の価値観にすがる、否定を重ねたままの思想は宝石の原石かもしれぬが、宝石を傷付け醜い姿を生むかもしれぬ。
あなたはどれだけの人間があなたを切り裂き傷口に黒いタールを流し込み、固めつけようとしたが、それでも絶対的な美意識を常に持ち続け、相も変わらず綺麗なまま。
あなたは消え去ろうとした。いとも容易く消えていた、ただ消えなかった、あなたを知る人間の中にあなたの光が存在し続けていて、それは美しいまま闇を喰らい続け存在し続けている。
あなたはとても美しい人。
だから…。