Two Stars

都会の星空は田舎の夜景、田舎の星空は都会の夜景。
今住む街の夜空に星などないと思っていた明け方の空に二つ輝く星。去っていくだけの車の音に、虫のざわめき声の中二つだけ輝いていました。
僅か離れているうちに春に枯れてしまいそうだった、この街で共に過ごしてきた観葉植物の葉が過去最高に咲き乱れていました、驚くほどに。そこで枯れさせてしまうほどの自らの行いを咎める気持ちと、あれほどに立派な生命力を見せてくれたことに対する感謝の気持ちが揺れています。
いつだって、二つでも二つで一つの物語。一つになろうとするときに世界は動き始め、物語を生み出すのです。
あの有り得ないと思っていた、星が二つ夜空に輝くという事実が一体何を示すのか私には見当がつきませぬ。ただただ私もあの咲き乱れる葉のように生きたいと、それだけを想うのです。
そして見上げた星のようになりたいと想うのでした。