暴走より覚醒

内蔵の方から獣が、喉元を引き裂いて飛び出しそう。
破壊欲求外へ向き出される、衝動と理性を奪うほどのパラノイア的思考方向に落ちる回路。
浮かぶ絵も言葉も音も、その根本の感情に向き合えた時、覚醒するのだ。
鎮静剤のような重い空気が体を縛りつけて、麻痺した回路も、眠りに落ちるまで。
真っ黒な水面に浮かぶ赤い月、世界の影には過去の記憶への穴、穴だらけの世界が誘う、素敵なサイケでリックな世界をさ迷う、赤の他人が聞きなれた声で呟く、頭の後ろに顔のついた女。透明人間が肌に吸い付く。
見慣れた色が季節を奪う。
ピエロの孤独と飢餓。首は落ちても飾りたてられた顔は体温を失うまで表情を持たない。