角度

この間、ママと会った日の出来事です。本当に色々あり、正直自分がパンクすると思い、昨日ある人に話を聞いて貰い落ち着いたところです。
事実を知るためママに会いに行き、飲み始めて、あの人のいない店内を見回すほど悲しくなり、ママと思い出話をするほど、胸が苦しく、何度も涙を堪えました。
ママもあの人がいなくて寂しいと、漏らすその目に嘘はなかった、ママの悲しみも流れ込んできて余計辛くなった。
ただ一つだけ、嬉しかったこと、それは俺もあの人も同じヘアサロンに行っていたこと、またシンクロしてて、気持ち悪いって言い合うだろうな、もしこの事をあの人が知ったら。
ママにあなたとあの人は本当に近かったし仲良し、だから大丈夫と言われて、あの人にとっての俺はどれほど意味があるのかわからないが、少しだけでも特別だったと思えた。
シンクロを繰り返していて不思議と打ち解けて、時には喧嘩もした、もっと良い関係を作っていけるだろ。簡単に切れる相手ではない。また繋がれるだろうって信じれたから、待つことにした。
最後に会った日が、いつもと違ったから怖い。
2人だけで何時間も過ごすことができた。あの人は珍しく焼酎を飲んで、荒れてたり、何かがおかしかったんだ。あの人の涙も見た。狂いそうな悲しみが隣合わせだったけど、神様は時間をくれたんだと思う。
あの人とは何だか凄く繋がってると思えた。神様が出会わせてくれた位にそれを信じれるほど、シンクロをした。
二人の間にもし糸があるのなら、今の血の滲むような悲しみを二人が乗りこえれたら、糸が赤く染まるだろう。
あの人の大切だった人よ、どうか見守っていて下さい。
それと、あの日はまたもう一つ大事な事が。
それはママとの事だ。
ママが抱えているいくつもある悲しみのうちのいくつかにふれた。
ママを裏切った人間の話。
信じた人に、恩を仇で返され裏切られたこと、ママは自分がフィリピン人だから騙されたとか、そうじゃない、人間と人間だよ、当たり前の事。と言いながら、ママの日本語はたまに拙い、それ故にママとは言葉じゃなくて深く根本的な人間関係を感じる。
その中でもママは酷く怒る気持ちも悲しむ気持ちも、抑えて仕事をしていて、その姿に励まされた。
そしてママに飲みに付き合ってくれと、飲みにいき、酒が入るほどにママの悲しみが溢れてるのを感じた。
でもママは強がって、堪えてた。
店を出て、珈琲を飲みに行ったときに、遂にママが崩れた。
だってママには泣く場所がなかったから。仕事では明るいママとしての顔で心配はかけれない、ボーイズでも一緒。
家に帰っても愛する息子と娘に心配かけれないと、ママには泣く場所がなかった。
ママは感情的になると英語で吐き出す、その言葉もわかるから尚更。
そしてママと友達になった。悲しいとき支え合うように。
最後にママが、ボーイフレンドが欲しいと漏らした時に、人間には色々な面があるなって。
女としてのママ、母としてのママ、スナックのママ。
全てを含めて、ママ。