只の葉

私は愛するという言葉を知っているが、愛するという心を伝える言葉を知らない。愛するという言葉の冷たさに言葉を失う。
私は孤独という言葉を知っているが、孤独という心を伝える言葉を知らない。孤独という言葉のヌクモリに言葉を失う。
私はもはや、ただその二つの相反するような心を伝えたいだけなのである。あなたに届くのはもう言葉だけなのかもしれないから、せめて声があれば何か変わるかもしれない。唯一残された言葉という橋があなたの心に架かりますようにと。言葉と向き合うのです。 何故に心は常に苦しめるように、助けを求めるように喉に手をかけて、声を絞りだそうとし、私の首を絞めつける?だから声なき声で喉を掻きむしるように、言葉を描きむしる。心の中のあなたと向き合うため。
愛するという言葉が、孤独という言葉が、響くことなく、意味をもたないように、私も意味は無い。