虫眼鏡

火遊びそれは大きな火事を巻き起こした。過去もみらいも巻き込んだ過失。ただ二人は逃げるのに精一杯だった。上手く逃げれればよかったのに。女はベットの上で目覚めた。男は女を探し炎の迷路に迷いこんだ。炎の熱は今まさに夏の太陽のよう。その火は六月の雨に消えたよう。火事は一日だけの出来事。幻想とそれを越える現実は奇なり。フラッシュバックが時間を切り裂いて巻き散らす。その破裂と時間の風がまた炎を目の前に。
火傷は消えぬ、その熱りがヌクモリと呼べるのか。もう焼け跡は新しい家が建った。