ヒトツブのヒカリ

パチパチと手を叩く、祝福の音がしばらく続く、歓喜の涙が溶けるような熱さで、乾き切った砂地に滴り落ちた。
夏の一日を線香花火が祝福した。終っていく日をその火花に込めて。
夏が眠ると夢を見るようで、今、その夢に浸る。空を游ぐ魂は旅に出る、ただただ居心地の良い場所もしくは瞬間を求め…。
残された肉体はさ迷う夜の街を。街灯の灯りは魂のダミー、夢のなかで魂と再会するが目覚めて、動けないのは、まだ旅の途中。ミイラに水をと風が目に見えるほどの狂気の嵐が去る。ドラムキットを一瞬で破壊したような雷が、ほんの一瞬で肉体の危機感を魂に知らせ、生き返る。夕立が去るころにまた夢に誘われ無意識の夜へ、ゆらゆらと。