サル

生まれ育った夏が夏の感覚というものをカラダに染みを残していて、全ての夏はその夏の感覚に由来している。
故郷の夏とお別れする時、それがその年の夏との別れ。
たとえ南国の太陽が体を熱らせても、夕立の嵐が去り、蒸し返すような熱を置き去っても、それはもうカラダに染み込んだ夏ではない。
さようなら今年の夏、涙腺がやわらかな夏の風に揺れました。
さようなら、また太陽があるかぎり会える。