ふっと

何も生まれないような、繰り返される動作の中である種の時間は止まる。止まった時間の中で時計は回り続けているが誰も過ぎたことに対しての後悔の念は持たない。体も感覚も衰えている事に気付く術などない。
残るものとは夢の中で消えていく幼い夢の破片。ひまわりに息づく棘のように日常の首を締めつける。
苦しみはもはや溜息にしかならぬ。衰えた体は溜息にすら宙を舞うほど軽い。