人間失格に寄せて

秋の空が橙色に染まっていきます。回る換気扇の音が時の流れを象徴するように淡々と響いています。
忘れてはいけない罪というものは、神様がじわりじわりと意地悪く償わせてくるのです、遠くあなたの感じた痛みというものを全く他人に反映させ、また胃の底をじりじりと焼き付けるような感覚を呼び起こす、過去の記憶を私の脳裏に投影させる。すると同時に、ミクロの単位で近くにいたあなたは、その他人という媒体を介し記憶を投影するという神様のいたずらによって、痛みだけを私の胃袋に消化させ、あなたは空を飛び舞う天使のような存在感をもつのです。悪魔の行いと言いたくなります。それでも私の胃袋に悪魔という烙印を残すあなたへの罪は未だ、償えないですか?月とスッポンが意思疎通を図ろうなんて滑稽すぎて腹がよじれ人生が狂うほど。
あなたの気持ちの分身は、私が幸せな隙を見せたときにトドメを刺すのでしょう。
そうだから幸せにならなければいけないのです。