肌寒い季節

世界は繋がってる、一つだって、遠く祈りを、多くの人が言ってる。
文明の発明により、透明になっていく世界と世界、誰かと誰かが遠くで繋がっていた、こんなに近くの人が遠くで誰かと繋がっていた。リンク、トゥ、リンクまだ届かないメッセージボトルは人の波に漂っている、何を伝えようとしたっけ?
共感、共鳴、例えそれが一過性のものとしても、響く響く気付けば、その振動は我止まる時、まだどこか、響き続けている、誰かと響きあって、だから、人と人は繋がっている、世界は一つへ。
そう見えた、ふれられないのは透明なガラスのような壁が、世界を分けているから、見える外の世界、果てしなく透明なガラスの壁、それがひんやりと冷たくて、膝をついた。
時に、孤独の叫びが、そのガラスの壁を、揺らし超音波の振動で割る、それは凍えて震える揺れ方。
そして世界は拡大していく、そんな世界で痛みは増しのたうち回る、叫び声がまた一枚、一枚と壁をパリンと、リンクしていく。
ガラスを曇らすことでしか消えることはできない、透明になるほど、広くて居心地がいいもの。