誰か唄って

あの日の唄を、もう声のないあの唄を、誰か唄ってもう一度。
それだけで記憶の花畑へ旅立てる。
もう一度唄ってあの唄を。やさしい言葉より甘いメロディーに乗せて、あの人の哲学も乗せて。
あの日の唄をもう一度、誰か唄って。
夏の思い出、フジで緑の茂みに差し込んだ光と共に聞こえていた、Fishmansの唄。緊張がほぐれて行く、肩の力を抜いて、心の服も脱いで、メロディーに寄り添って、眠る。