人間のほとんどは水である。とて人のカタチを形成しているのが不思議である。
感性というのか、敏感。透明な水。
酷く濁ってしまったようだ、黒く孤独。言葉は流れる水である、心の泉から言葉として流れていく。海へと、きっと海は宇宙と似てる。
どこへもいけず、沼となった心は孤独である。
他人の言葉が泉を染める。なぜに私を染めようとするのか、私は私である。反吐を吐きそうだ。
水面に映る光に満ちた過去の画。
水面をきらきらと浄化していく美しい過去。
孤独に光が差す時、それはとても美しいもの。
とても透明できらきらとしたもの。
あぁキリストが磔にされた画が浮かぶ。神とて磔にされてしまえば死と対面するだけだ。
苦しい、動けない。落とした目線を一瞬遮った、ナイフの嫌な反射光。
きらりと見えたあとにざらりと胸を抉る感触。
どろりと黒く染められた血が流れだす。
それでいい、汚された血が抜けてしまえば、楽になる。
アダムとイヴ、キリストとマリア、男と女。
きっと孤独を癒すのは、自分と同じ色の水を注いでくれる異性。