彼女は水みたいなものだ。
空気みたいとは言わない。
人間は水がないと一日しか保たないらしい。人間の七割程は水だ。
彼女とふれあう感性は水のようだ。透明で何かの拍子に簡単に濁ってしまう。
そして湧き水のように果てしなく溢れ出す感情。
心が潤うのを感じる。それは酒のように酔うこともなく、コーラのように弾けたり甘くもない。苦くもない。
とても透明な感覚に満たされる。
彼女はスッと俺の中に入ってきて、とてもやさしい潤いを与えてくれる。
会いたい。
ヤリたいじゃなくて。抱きしめたい。離したくない。守りたい。
もう絶対離したくない。
あの日みたいなこと。俺は彼女を失う怖さを知ってしまったから。