ボブディラン

隙間を埋める為の買い物、車の中で歌うこと、頭の中をニュートラルにして歌えるまで割れるくらいの音量で走る、意識が薄くなって歌うことだけに集中する。それでやっと生きている気がする、鏡ってのがなくてもいい、自分が誰だろうと気にならない、確かめることもない、凄くニュートラルな状態。そのまま開けた状態で宙ぶらりんでいると世の中が綺麗に見える。瞑想と一緒の効果。
ポップソングって否定できないな、James BluntのYou're Beautiful聴いて、サビで泣きそうになって、買って帰り道歌い出したけど、どうもボブディランが頭に引っ掛かる、彼はボブディランのカバーもやってるんだってね、通りで、歌いながらディランの声を思い出すわけだ。まぁディランのことは置いておいて、あんたは美しいね♪なんてどうしようもないこと繰り返してつぶやいて、でもそれがどんだけ残酷で儚くて美しいことなのか、RadioheadのCreepの歌詞みりゃわかる。嘆くしかねえんだわ、過去が今よりずっと美しいものに思えて、今がどうもクソみたく思える日は、嘆くしかねえんだ。人生最高の日に死ねないってのはそういうことだ。人間最高と思えないんだ、それはただの結果だから、あとでアレが最高と思い返して嘆くしかねえと思える。あのまま消えちまえば楽だった、自分勝手に消えたら最高だった、でもあのときはまだ未来が登り坂の向こうにある気がしてたからな、坂じゃなかったただの鏡で俺が滑り落ちてきた坂が写ってるだけの鏡だったよ、そりゃ最高だぜ、坂の向こうにはどうしてももう手に入らない幸せがあるんだから、
もう眩しすぎて過去のものにも見えなかったね。