ただいま

住みなれた部屋に帰ると、お気に入りのものに囲まれた部屋の中に、一人、人がいるのです。それはわたしでした。もう一人の自分と部屋で出会う。もう一人のわたしは裸でした、でも何かとても自由な色を纏っていました。彼と呼ぶのもおかしな事ですが、彼はとても気持ち良さそうな顔で眠りました、わたしはしぶしぶとその隣で眠るのです、普段は不快な思いに阻まれる睡眠ですが隣の彼にシンクロするように、それはええ、何故かとても安らかな眠りでした。ふと目覚めると孤独な肌、不快な胃もたれの替わりは胎動、やわらかな朝日が身に染み込むと同時に彼はわたしの体内に生命を宿らせたのです。光を感じるものは胎内をダンスフロアに変えるようです、闇は胎内を夜の海へと変えるようです。この柔らかなベイビー、愛というのかもしれません、感情を餌とする愛。悲しみは苦い薬かもしれません、狂気はドラッグ、喜びはアイスクリーム。死にませぬが、動かなくなると気持ち悪いものね、ベイビー、あなたは一人よ、多くのもの、人を愛してね。きっと一人でも多くを愛すことはできるはず、あなたはベイビーきっと何にでもなれるニュートラルな真っ白な心のまま、キ
レイなままで。あなたを産み出したら、きっとまた孤独が訪れるかもしれない。