オスとメス

男というものは、過去と未来を生きる生物だ。今という瞬間において獲物なしに生きるというのはそれこそ夢というものだ、過去というものはとても現実的である。
女は今という瞬間にばかり生きる生物だ、とても感覚的な生物だ、現在における集中力が違う。今という瞬間に快楽があればそれでよい、今という瞬間を現実と捉えるということは、とても現実的である。
男が女と交わることで、やっと今という瞬間を知るのである。女なしに今を生きるというのはとても不思議なことである。
男に今という感覚はない。あるのは未来という夢と確実な過去。
夢に生きるというのは、現実という現在を失った男の性でありせめてもの希望である。