風がやさしく愛撫しては消えていく昼過ぎ、蝶々がひらりと遠くをとんで、軌道はいたずら。遥か遠くの雲は消えていった。亜矢は性という曲で人生が痛みならあたしは越えていけると、この声が枯れても声なき声で歌う愛するもの全てにと。誰かが傷つくことはない、傷ついたと思うだけだと。痛みのような不快感が心を掻きむしらせ、掻き殴られた心がピュアに世界と向き合えるわけはなく、でもたまに糸で意図的にぐるぐると巻き付け拘束した糸をふわりと解いてくれるものがアート。思ったほどこの世には悲しいことはなかった、悲しいものと勝手に思い込んでたものが多い。紐解かれた心が感動して涙してる。濁った心の水を浄化するための汚れを吐き出すようにまたほろりと落涙。泣くのを忘れた心が、水を得たように、思い出した悲しみ鳥肌が立つと同時に頬をつたう一筋の蛇は心の守り神。今さら忘れていた悲しみと向き合う、でも何故かそれはとてもやさしい痛みのような想い出。